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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻13号

1957年12月発行

文献概要

特集 麻酔の進歩

腰椎麻酔の理論

著者: 野嶽幸雄1 木戸明1

所属機関: 1慶応大学産婦人科教室

ページ範囲:P.941 - P.948

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まえがき
 腰椎麻酔(以下腰麻と略)はAugust Bier(1898)1)により創始されたが忽ちにして多数の支持者を得た。特にTuffier(1900)2)の熱心な唱道により急速に普及し,以後種々の改良を経て,今日なほ腹部手術時麻酔法として正座を占めている。只1回の注射により広範に亘る確実な麻痺(無痛と筋弛緩)が得られる点は,その最大の魅力であるが,その極めて簡単直裁な事実の故に却つて腰麻の理論的追求の努力を怠らしめた傾向も蔽い難い。
 Leriche(1928)4)は,従来生理学者の関心を余りひかなかつたことは腰麻にとつて非常な不幸であつたといい,Krapeer(1932)3)は,腰麻は最初から余りにも簡単に普及し,無条件に認められ過ぎたため基礎的検討に乏しく,新たな臨床報告の発表される毎に適応,禁忌の変更を余儀なくされる矛盾撞着を重ねたと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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