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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻13号

1957年12月発行

文献概要

特集 麻酔の進歩

腰椎麻酔剤の比重と産婦人科領域に於ける臨牀

著者: 勝野六郎1 黒川豊1

所属機関: 1都立駒込病院産婦人科

ページ範囲:P.987 - P.999

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緒言
 産婦人科手術は骨盤高挙にする関係上薬液の異常上昇を懸念され,従来低乃至等比重が使用されて来た。われわれの昨年度東京都内の56病院よりの調査では第1表の如く大部分低比重剤Perca-minLを使用されているが今日はかなり急速な高比重剤への転換者が増加している様である。さて北原に依つてのI131Isotope利用は少くとも注入当初の腰麻剤の態度を明らかにし,又分光光度計応用の髄腔内腰麻剤の微量定量が一部可能となり,注入後一定時間を経過すれば骨盤高挙とするも危険がなく,背臥位に於いて脊髄後根を充分に麻痺し,麻痺高の調節も或る程度可能となり,脊髄液に比し絶対高比重な高比重剤が不安定な比重の低比重剤に勝つている事が臨牀的にも指摘されている。われわれは数年来高比重の腰麻剤を臨牀的に比較検討し,馴れた低比重より理論的な高比重剤への転換を提唱し続け又高比重剤を最も理論的に有効且つ安全に使用出来る背臥位注入法を実施し,又各薬剤の長所をとり入れた混合麻酔の有利性を強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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