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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻3号

1957年03月発行

文献概要

症例研究

同胞に見られた男性仮性半陰陽の稀有なる1型

著者: 宮信一1 柴田道也1 塩谷謙二1

所属機関: 1石川県中央病院産婦人科

ページ範囲:P.163 - P.168

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緒論
 周知の如く仮性半陰陽(Pseudohermaphroditi-sm)とは,男性或いは女性の性腺の一方を有しながら,外性器の形状が反対の性のものに類似した場合を指すもので,睾丸を有しながら外性器の形状が女性的である男性仮性半陰陽(以下P.H.M.)は,反対の女性仮性半陰陽に比し発生頻度が遙かに多いとされ,事実余等が蒐集した本邦に於ける明治以降現在迄の全報告例と思われる百数十例中約80例を占めており,従つてP.H.M.は真性並びに女性仮性半陰陽に較べてより詳細に記載され,又其の特質も述べ尽された感がある。これらの諸報告を通覧するに,本症の殆んど全部は例えば肥大した陰茎様の陰核,陰嚢に類似した大陰唇,男性型陰毛発生,乳房の男性化等に加うるに喉頭の隆起,従つて音声の男性化,男性的習性等の少くとも1症候以上を有するもので,以下報告する外性器の外観は何等正常女性と異らず,習性その欠くような他も全く女性であり,従つて前述の症候の凡てを特殊な型のもの(以下本型と略)は極めて稀に見られるに過ぎない。即ち半陰陽2000余例に基くNeugebauer(1908)の著書1)中でも,Moortin, A.の記載した僅か2人の姉妹のみがこれと一致するに過ぎず,本邦でも秋山2)(明41)が偶々同年本型と推定される1例を報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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