icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻3号

1957年03月発行

診療室

妊娠悪阻に対する抗プラスミン剤(イプシロン)の使用経験

著者: 城登1 吉川正治1

所属機関: 1大阪市立大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.200 - P.204

文献概要

緒言
 血液を体外に採り出した場合,凝固するが一旦凝固した血液は,ある種の条件の下では,再び無菌的に溶解する現象も見られる。斯かる現象は相当古くから気付かれていて,Zimmerman (1846),Green (1887),Daster (1894),Rulat (1904),Nolf (1905),Morawitz (1906),等により報告されているが,近年に至りこの臨床的意義が研究されるようになり,斯かる現象の本態の一部は,血漿中にある蛋白分解酵素plasminが,ある場合に急激に活性化されて,このplasminと拮抗作用を有するAntiplasminとの間の動的平衡が破れ,一旦凝固したものが再び溶解するという現象即ち,線維素溶解現象乃至は血漿蛋白の溶解の起る現象に外ならないと,Macfarlane, Zoomis等により説明されるに至つた。更にこの線維素溶解現象は,外傷時,Shock状態,手術後,月経中の血液,高血圧症,月経困難症,妊娠中毒症例えば子癇や妊娠悪阻時等にも起ることが,Yudin,Maefarlane, Imperati, Kaulla, Mole, Wexlerand Ellis, Smith and Smith, wilson andMunel, Tagnon等により次々と発表された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら