文献詳細
原著
Chlorpromazine使用に際して術後発生せる頭部褥瘡に就いて
著者: 田中新平1 雨宮勝1 柳田昌彦1 石川孝1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院産科婦人科
ページ範囲:P.245 - P.248
文献概要
近時Chlorpromazine (以下CPと略記する)は臨床の各方面に於いて広く応用されているが,産婦人科領域に於いても,末期子宮癌患者の疼痛緩解,分娩時陣痛の緩和,妊娠悪阻に対する悪心,嘔吐の抑制並びに子滴発作の予防又は治療等に使用されて,その効果のあることは既に多数報告されている。
CPの有する抗ショック,自律神経遮断,体温低下等の特性は,Laborit及びHuguenardに依つて始められた所謂冬眠麻酔として外科方面,特に心臓外科の領域に於いて応用される一方,中枢性麻酔薬,催眠薬との間に有するその協力作用は,強化麻酔薬として手術前麻酔に広く応用されている。
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