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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻4号

1957年04月発行

藥物療法

放射線及びナイトロミン治療時の白血球減少症に対するCobalt chlorophyllinの効果に就いて

著者: 一宮勝也1 山村惠次1 平野俊雄1 稲田裕1 大條景一郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.249 - P.255

文献概要

 悪性腫瘍に対する放射線療法は今日に於いては手術可能性の如何を問わず欠くべからざるもので,その重要性は放射線適用法の進歩とともに年々増して行くとみるべきである。放射線による悪性腫瘍組織の破壊が,健常組織の障害なしに完全に行われることが治療の目的であることはいうまでもないが,臨床の実際に於いて最も困る問題の一つは血液に対する障害,したがつて全身抵抗力の減弱である。故に放射線療法にあたつては血液像,特に困難な白血球の減少を注視しなければならない。腫瘍の病巣に対しては速かに必要量の放射線照射を行わなければならないが,一方,血液障害が高度になれば照射を継続し得ないから,中止して患者の体力の回復を待ち,或いは輸血を行い或いは種々な薬物の投与ににより始めて照射をつづけるのが常である。石井,他(1956),春名,他(1956),加藤(1956)らはCobalt chlorophyllinがこの種の血液障害に対して効果があるという報告をしたが,まだ研究の域を出ていない。われわれも放射線やナイトロミンに依る白血球減少症にCobalt chlorophyllinを試みているが白血球増加の効果があるように思われるから少数例であるが報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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