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藥物療法
産婦人科領域に於けるバルコゾル錠の使用経験に就いて
著者: 奥山通雄1 木下博1 水野昭1
所属機関: 1大阪市立大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.273 - P.275
文献購入ページに移動日常妊婦の診察に際して,屡々頑固な便秘の訴えに遭遇しその処置に悩まされる場合が比較的多い。又手術後或いは分娩後の通利のない場合にも適当な薬剤や処置法がない為専ら浣腸或いは下剤に依存しているが,これらはいずれも種々の不快な副作用と共に習慣性に陥り易い欠点があり,夙にその改善と適切な薬剤の発見が望まれていた。バルコゾル錠(以下「バ」錠と略す)はDioctylSodium Sulfosccinateとバルコーゼより成り,後者は単なる純良植物性線維であるが,前者は界面活性剤で特に滲透性,湿潤性及び分散能(固体凝固阻止力)が強く,從来の一般下剤と全く異り無害でしかも不快感もなく排便を促進する点,誠に優れた薬剤であり,特に妊婦に用いて良好で,胎児は勿論乳児にも何等の悪影響を与えず産褥婦にも安心して用い得ると思われたのでここにその実験成績を報告する。
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