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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻4号

1957年04月発行

藥物療法

オキシトシン製剤オラスチンによる分娩誘発

著者: 大塚勝章12

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室 2中南国保病院産婦人科

ページ範囲:P.276 - P.278

文献概要

1.緒言
 従来分娩誘発法としては機械的,薬物的或いはホルモン的に種々な方法が考案使用されて来たがその操作や効果及び副作用等の点で,夫々一長一短があることは衆知の所である。
 脳下垂体後葉製剤の分娩第2期及び第3期への応用は近来常識化されているが特に子宮口全開大前に下垂体後葉製剤とブドー糖液との混合液の静脈内点滴注射による陣痛誘発及び促進法は1948年Theobaldによつて始めて発表された。下垂体ホルモンに就いては1909年Blair-Bell及びHicksが子宮収縮作用のあることを証明し,その後1928年Kamm, Aldrich等は,下垂体後葉ホルモンより2種の成分を分離した。即ち子宮収縮作用の強いOxytocinと血圧上昇作用,抗利尿作用の強いVasopressinの2つである。このOxytocin製剤は,吾国ではAtonin−0として臨床的に盛んに使用され,妊娠及び分娩時,殊に高血圧を有する妊娠中毒症の患者にも安全に使用しうると報告されている。Atonin−0による陣痛誘発及び促進は須田,千葉,安井,佐川,星野等により検討され,有効にして副作用の少い方法として認められている。著者はAtonin−0と同様のオキシトシン製剤オラスチン(ヘキストー新薬)を中南国保病院産科に入院せる妊婦20例に「陣痛誘発の目的」に使用しAtonin−0より有効なる成績を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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