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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻4号

1957年04月発行

文献概要

症例研究

「レ」線撮影により診断し得た頭胸部癒合重複奇形児の1例

著者: 門脇正1 畠山重義1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.279 - P.283

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緒言
 先天性奇形の頻度は,De Lee, Greenhillによれば新生児の約1%,教室の斉藤1)(1954)に依れば高度の外表形態異常0.45%であると云う。二重奇形は極めて稀でZangenmeisterに依れば全奇形の0.4%と云い,Schneiderに依れば35,000例中2例,Szeidi u.Bolazsに依れば50,000例中1例と云われる程で本邦では統計例を見ない。
 重複奇形は著者の調べでは,昭和元年より昭和30年迄の30年間の報告例中外国では34例本邦では20例を算し,外国の文献中頭胸癒合重複奇形は3例で,重複奇形の8%にあたり重複奇形中最も少い。其の外は胸部癒合が最も多く11例,胸部躯幹癒着3例,腸骨癒着2例,臀部癒合2例,腸骨坐骨癒合2例,胸骨癒合,脊髄癒合,臀癒合,頭蓋癒合が各1例,其の他寄生性癒合が臀部に1,頭部に1,臀部奇形腫3例,坐骨奇形腫2例である。本邦での20例の中,頭胸癒合重複奇形は10例で半数,その他は胸部癒合3例,胸腹部癒合,胸腸部癒合,側胸部癒合,腸骨剣状突起癒合,寄生性胸部重複各1例となつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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