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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻6号

1957年06月発行

特集 新生児

新生児の凝血因子

著者: 橘高祥次1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.373 - P.379

文献概要

緒言
 血液が何故凝固するかについては吾々は未だ定説をもつていないが,1935年Quick1)がProth-rombin (以下PTと略す)時間測定法を考案してから,凝血学の研究は急速に進展し,種々の凝血因子が報告された。即ちPTがThrombin (以下TNと略す)に転化するさいに必要欠くべからざる因子で,Quick (1947)2)のLabile factor,Ware and Seegers (1947)3)のPlasma Ac glo-bulin及びOwren (1951)4)のProaccelerin等である。これらは同一の物質とみなされており,水溶性Globulinで,非耐熱性,58℃で直ちに非活性化され,保存に対し極めて不安定で,特にCalciumを除いた蓚酸血漿では速かに消失する。このために不安定因子として一括されている。更に安定因子といつて,PTがTNに転化する際にこれを促進する因子がある。これは比較的耐熱性で,56℃,80分により作用を失わず,血漿・血清を保存しても消失しない。これにはOwren(1951)4)のProconvertin, Aleχander et al.(1948)5)のSerum PT Conversion Accelerator(以下SPCAと略す),及びKoller et al.(1951)6)のFaktor VIIなどがあるが,これらは同一物質とみなされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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