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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻6号

1957年06月発行

特集 新生児

新生児の肺組織に就いて

著者: 伊藤保次12 村越充明12

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室 2東京都立荒川産院

ページ範囲:P.393 - P.396

文献概要

緒言
 哺乳動物の胎生時肺の組織発生学的研究に関しては古来多くの文献を見るが,人胎児についてはBender (1925)の胎生前半期に於ける肺胞原基に関する研究につづき主として肺胞発生の問題を対象とし進められて来た。即ち古くは肺胞上皮細胞の連続性が定説とされていたがSteward8)(1923)がネヅミの肺に於いて発育の後期に肺胞上皮が断列し毛細血管の露出を認めてからPalmer7)(1936),Barnard & Day2)(1937)も人胎児肺にも同様現象ある事を発見した。又,赤崎,保坂10)も肺胞上皮の本態或いは肺胞壁の上皮細胞の連続性の検討,及び毛細管露出現象につき報告し,山田11)は胎児肺に肺胞液の存在する事,露出血管の存在,囲繞血管,弾力線維が極めて稠密な事は生態の機能適応であるとした。島井15)は気管支滑平筋,肺胞上皮細胞の発生的な研究を行い,秋山14)は更に胎生全期に亘る組織学的な検査を通じ前者と同様な所見を確認した後,ミトコンドリア及びグリコゲンの出現を研究した。木村12)も103例の所見を総合し胎生期を4期に大別説明した。弾力線維の発達に関しては古くはOttolenghi6),Jeuffer9)の詳細な研究あり,本邦では松本16),西13),秋山14)等の研究あり,弾力線維の発生的研究でその発現時期に諸説あるも胎生後半期に於ける発育過程に不明な点が残されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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