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特集 新生児
新生児化膿性皮膚疾患のブドウ球菌ファージ型について
著者: 陳以烜1 高田道夫1 松田静治1
所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.401 - P.405
文献購入ページに移動各種薬物療法の発達により新生児の感染は一般には漸次減少しつつあるが,病・産院などにおいては新生児のブドウ球菌感染症が屡々みられるもので,特に抗生物質の普及に伴ないペニシリン耐性ブドウ球菌による感染が重要な問題となつている。新生児膿痂疹1)(新生児天疱瘡)の流行についてはAnderson (1943),Allison and Hobbs(1947)2),Forfar and Edmunds (1953)3)等の発表がある。
一方ブドウ球菌の分類法としては,近年バクテリオファージによる型別が臨床及び疫学へ応用され始めており,特に本法は病院内感染等の究明に役立つている。新生児ブドウ球菌感染症のファージ型別についてはColbeck (1949),Barber andWhitehead (1949)4),Forbes (1949)5),Williamsand Rippon (1953)6),Rountree (1953)7),Isbister(1954)8)等の記載があるが,本邦では未だその報告を見ない。吾々は先に褥婦,乳腺炎患者等より分離したブドウ球菌のファージ型別を発表9)し,感染経路の追究等,臨床上の応用価値を確認したが,今回は昭和31年夏季,当教室における新生児に発生した化膿性皮膚疾患につきファージ型別を中心に検索した成績を報告する。
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