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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻7号

1957年07月発行

文献概要

症例研究

子宮筋腫と誤れる異物

著者: 白石水内1

所属機関: 1都立大塚病院産婦人科

ページ範囲:P.487 - P.489

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緒言
 腹腔内異物の報告は多いがその中で開腹術時の遺残ガーゼが最も多い。其の他止血鉗子縫合針,釘,硝子片,刃物の破片,石灰化せる死亡胎児,木材の一部分弾片等種々の報告がある。
 而して由来,生体は体内異物に対してその防禦機序として之を被包し無害ならしめんとし,或は体外に排除せんとするものであるから,その異物の原型が著しく変化又質的にも変化する事が多く又その存在場所も段々変るものである,従つて多くの腹腔内異物の由来原因に関してはその型大きさ,数。成分,種類等に依り侵入到達経路を推定し得る。又既往症及び現症を問診して開腹術時の遺残或は胃腸管の穿通により腹腔内到達或は誤飲に依る等のことが或る程度推定される場合も可能であるが,しかし全く不明で偶然に発見され推定に苦しむ場合もある。余は最近某開業医で子宮筋腫と診断され当科でも同様の診断で開腹し,これが子宮前壁異物なる事を知ったが其の摘出異物が如何なる物質か又侵入経路も全く不明の子宮異物を認めたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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