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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科11巻9号

1957年09月発行

文献概要

臨床原著

子宮に於けるChEの意義に就いて

著者: 数井忠一1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.599 - P.602

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1.緒言
 Reynolds1)及びFoesterは妊娠時家兎子宮のAch量が増加し,末期に最高値を示す事を認め,Torda2)及びWolffはEstrogenが子宮のChEを抑制してAchを増加せしめ,ProgesteroneがAch生成を抑制することを報告した。このように子宮のAch〜ChE系代謝過程と性機能とが密接な連関を有する事が容易に推察される。又O-Loewi3)以来Dale4),Feldberg4)及びNachmansohn5)等は神経,神経一筋肉に於ける刺戟伝達を司るものはAcetylcholine様化学物質であり,Cholineste-rase〜Acetylcholine等が重要である事を立証した。亦一方Berhanitsi6),Chang7), Gaddum,Reynolds, Foester等は,神経組織のない胎盤が高度のAcetylcholineを含有する事を証明し,Glick, Antropol, Hael7)等はcholinesteraseも又胎盤に高度に存在する事を実験して特に絨毛組織に濃縮されているだろうと推定した。
 然らば神経と無関係に存在する胎盤に於けるAch〜ChEは如何なる作用をなすものであるか。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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