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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻1号

1958年01月発行

臨床研究

頸管粘液の界面と精子の侵入機転(第1報)

著者: 安武豊志男1 飯塚勲2

所属機関: 1日本鋼管鶴見病院産婦人科 2慶応大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.7 - P.11

文献概要

緒言
 不妊症の原因に或は治療上の指針として頚管粘液の持つ意義は極めて大なるものがあり,その物理的,化学的及び生物学的性格が近年種々の角度から益々微細に研究されてきている。特に異常なりと認められる場合には,その多元的性格の一つ一つを捉えなければ,異常性の本質を理解し,又更に進んでその対策を講ずることはできない。Papanicoloau等によつて発見されたcrystalli-zation現象は精子受容性と密接な関係を持つことが分り,Sims-Huhner氏試験,Miller-kurzrocck氏試験,或はLamar氏試験によつて克明にその実相を確認することができる。これらの検査によつて精子・頚管粘液(以下CMと略す)間の適合性が判明するがcrystallizationの程度と精子受容性が必ずしも併行しないばかりか,中には却つて反対の場合もあつて,かような場合を不適合性と呼んでいるが,更に詳細に観察してゆくと同一標本に於いても一定しないものが認められる。そこでれわれわはCMが精子の活動のmediumとして適するか否かという問題より一歩先んじてCMの界面に何か精子の貫通を左右する因子があるではないかという疑問を懐き,更にそれに関連してMiller-Kurzrock氏試験に於いて何故に精子群が恰かも橋頭堡を形成するように三角状をなして侵入してゆくのかについて追究し,新知見を求め得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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