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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻10号

1958年10月発行

文献概要

臨床研究

各種抗癌剤のHeLa細胞に及ぼす実験的研究

著者: 斎藤博1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.759 - P.770

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緒言
 抗腫瘍性物質のすべては何等かの基礎的Scre-ening testによる細胞学的,生物学的指標において根拠づけられているが, Investigation of Diverse Systems for Cancer chemotherapie Screening edited by A.Gellhorn and E.Hirschberg. (Cancer Resarch Suplement No.3,1955)には28種の物質につぎ,15種の実験腫瘍系列と59種の非腫瘍系列を対象とするScreening testの綜合結果が示めされており,腫瘍系にはすべての動物遊離癌乃至固型癌が対象とされている。本邦製抗癌剤Nitromin1)も吉田肉腫を,Sarkomycin2)3)Mitomycin4)はErlich癌を,Carzino-philin5)はErlich癌及び吉田肉腫を対象として抗腫瘍性が検討された。人体腫瘍を対象とするScreening testの研究は現在の癌化学療法上の重要課題で,特殊な方法としてCAP法6)7),また最近は西岡等による癌組織片インドフェノール還元法(INK法8))等の報告がある。ここに人子宮頚癌由来のHeLa細胞の存在は種々の意味で重要な実験対象とされるわけである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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