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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻10号

1958年10月発行

文献概要

薬剤の臨床

妊娠中絶後に起る乳房腫脹,乳汁分泌等に対するジオール錠の効果

著者: 増田源三郎1

所属機関: 1国立立川病院産婦人科

ページ範囲:P.809 - P.810

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 妊娠後半期に於いて自然に,または人工的に妊娠が中絶された場合や,分娩は正常に経過したにもかゝわらず不幸にも新産児が死亡した場合に,当然引ぎ続き分泌される母乳が欝積されるために,時には甚しい乳房腫張,疼痛を訴え,更に発熱を伴い肉体的には勿論精神的にも苦痛となる場合も多く従来は種々の対症療法が講じられ,薬剤としてはスチルベン系製剤を用いたりして来たが,特に有効な療法はなく,逆に次回の分娩に際しては乳汁分泌不全を招く結果となることもあつた。
 われわれは,本院に於いて妊娠5ヵ月以後の人工中絶を行つた者,及び流産,早産のため入院した者,及び正常分娩ではあつたが,新産児が分娩後間もなく死亡したため,母乳の分泌を抑制する必要の生じた入院患者の内から随意に例を選び,ジナール錠(田辺製薬)を投与し次の如き結果を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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