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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻10号

1958年10月発行

文献概要

症例研究

先天性水頭症の1例

著者: 後藤義雄1 竹村幸子1

所属機関: 1国立東京第一病院産婦人科

ページ範囲:P.839 - P.841

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症例
 母:福○輝○30才,初産婦 母の既往歴:生来健康著患なし。初潮15才5ヵ月,以来順調,周期27〜28日,持続4〜5日間,経血量中等度,月経障害はない。27才1ヵ月にて30才健康男子と結婚す。
 妊娠の経過:最終月経昭和32年1月27日〜5日間にして以後無月経となり,3月10日頃より悪阻症状が現われたので,3月25日本院産婦人科外来を訪れた。当時内診所見は子宮前傾屈,やや大やや軟にて左右附属器触知せず,腟鏡診にて子宮腟部にリビド色呈するを認め妊娠2カ月末と診断す。梅毒血清反応陰性,胸部打聴診及びX線透視上異常を認めず,他に合併症なし。5月下旬(妊娠5ヵ月初)胎動自覚,6月20日(妊娠6ヵ月初)児心音聴取可能爾来定期診察にて浮腫も認めず,尿蛋白陰性,血圧も正常で妊娠の経過は順調であつた。しかし,外診上児頭及び臀部の鑑別困難にして8月30日(妊娠8ヵ月末)に至り初めて恥骨上に浮球感移動性を有する児頭を触知し得た。児背部は母体右側,小部分は左側に存し,児心音は右側に明瞭に聴取したので第二頭位として観察し,9月20日(妊娠9ヵ月中)の定期診察時も外診上同様第二頭位であつた。しかるに10月9日(妊娠10ヵ月初)の外診所見に於いて,下腹部緊満のため下向部確認困難なるも,上方に移動性ある球形胎児部分を触れ,これを児頭として観察し,児背部及び児心音聴取部は前同様母体右側なるにより,外診上第二骨盤位と診断した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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