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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻11号

1958年11月発行

文献概要

日常診療メモ・Ⅲ

子宮の単純全剔除術と腟上部切断術とに関するメモ

著者: 清水直太郎1

所属機関: 1佐世保共済病院産婦人科

ページ範囲:P.915 - P.920

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 この両手術は婦人科に於ける開腹術中の主幹をなす常用の手術である。その術式の根本的な点は多くの成書に述べてあるように大体不変であるが,細部に於いては術者の思考等によつて異なり,然もそれが手術結果の良否に相当関係する。術式中最も苦心し,色々と工夫される点は尿管損傷の危険を如何にして確実に,且つ簡単に避けるかということである。この危険は子宮の腟上部切断術の際にも皆無ではないが,非常に少いのに反して全剔除術では非常に多いから,全別除術の時には尿管を周囲から剥離露出し,尿管を直接見ながら手術すれば最も安全確実である。然し尿管をその走行を追つて露出することは,操作が煩雑であるだけでなく,その操作自体が尿管の損傷を誘発することもある。よつて尿管を露出することなく確実に尿管を損傷しない操作に苦心が払われる。以下著者が多年行つている術式を,特に注意しなければならぬと時折メモしておいた点に就いて述べることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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