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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻2号

1958年02月発行

特集 梅毒

内科の梅毒

著者: 美甘義夫1 明石哲二1

所属機関: 1東京大学美甘内科

ページ範囲:P.81 - P.89

文献概要

 梅毒学の最近の主題は過去の問題の回顧が多い1)。1956年5月28日から6月1日までワシントンのステートラ・ホテルで第1回性病及びトレパネマ症に関する国際集談会が開催された。その際の主な題目をみれば,この世界における問題の大要を把むことができる。即ち「性病とトレパネマ症の管理の過去および将来」,「統計学的問題」,「梅毒およびトレパネマ症の自然科学」,「実験梅毒およびトレパネマ症」,「トレパネマ症の血清学・免疫学」,「トレパネマ症と性病の診断,治療,予後」,「淋病,小性病,非淋菌性尿道炎」,「疫学および管理技術」,「保健および成人教育」,「自由意志による性病管理への協力」などである。
 この集談会において,ソ連の発表もおこなわれた。西世界で既に放棄されている方法で,たとえば6週間の入院を間に挟む長い期間に蒼鉛やその他の注射療法をおこなう古い方法の報告がされた。Smelov教授はペニシリン単独治療の無効を主張した。Kozhevnikov教授はペニシリンの名さえ口にしなかつた。しかし,Pashkov教授は,ペニシリンは先天梅毒治療の補助になつたことを認めた。ソ連人達は,古風な治療にもかかわらず,迅速適切な医学的注意,生活状態の改善,失業者の絶滅,売春の絶滅,多額の厚生予算により梅毒は根絶されつつあると主張した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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