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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻2号

1958年02月発行

薬剤の臨床

習慣流産の黄体ホルモン・ペレット療法に依る治験例

著者: 小林一郎1

所属機関: 1富士古田市立病院産婦人科

ページ範囲:P.141 - P.143

文献概要

緒言
 習慣流産の原因として推定される疾患として(1)病的卵,(2)子宮発育不全,(3)子宮位置異常,子宮奇形,内膜炎,(4)頚管裂傷,(5)腎炎(6)梅毒,(7)ビタミン欠乏,(8)ホルモン失調等考えられ,最近はアレルギー説(James Herrod),Rh因子並びに染色体説による雄性不妊の問題も論議されているが,本症の重大原因としては,やはり第一にホルモンの失調を考えねばならない。
 妊娠の持続に最も重要な役割を果すものは,黄体ホルモン,卵胞ホルモン,性腺刺戟ホルモンであるが性腺刺戟ホルモンは切迫流産の場合でも一般には減少して居らず,むしろ増量しているので,他の二者のホルモンを考慮すべきである。卵胞ホルモンは妊娠家兎では投与すると流産を起す事から人間の妊娠早期には禁忌となつていたが,Karnaky(1944)が流産防止の目的でStilbestrolを用いる様になつてから多くの人々により追試されているが,之もProgesteroneの生産を増加せしめ,妊娠持続作用を良好ならしめるものであると云われている。Progesteroneの減少は流産を起すと考えられているから,Progesteroneそのものを補給することが合理的であり,直接に効果があるわけである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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