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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻3号

1958年03月発行

臨床研究

頸管妊娠に就いて

著者: 三谷靖1 立石博1 岩崎博1 庄司友春1

所属機関: 1長崎大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.168 - P.172

文献概要

1.はしがき
 頚管妊娠cervical pregnancy,Zervikal-schwangerschaftや頚管(前置)胎盤Placentapraevia cervicalis(Zervixplazenta)は共に稀なものであるが,その予後が極めて重篤で而も術前診断が困難であるから注意を要する疾患である。
 頚管胎盤は広義の場合前置胎盤の一種で,胎盤の一部又は大部分が子宮峡部にあるが他の部分が頚管内に位置を占めているものであり,頚管着床は原発的にも続発的にも起り得る。然し狭い意味では頚管妊娠と同じ意味に使われている。頚管妊娠は胎盤(絨毛)が頚管内にのみあつて,子宮体部には絨毛が附着していないものを云うのであつて,厳密には両者を区別すべきものである。九島11)はこれを頚部妊娠と云つた方がよいと述べている。勿論これは子宮外妊娠の一異型である。然し臨床的にはこの両者を区別することは寧ろ不可能であり手術剔出標本又は剖検によつて,確認しなければならない。文献上頚管妊娠の報告はあるが,稀であり更にこのようにして確認された例は更に稀である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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