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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻3号

1958年03月発行

薬剤の臨床

妊娠悪阻に対するグロンサン糖注の効果に就いて

著者: 柴田英夫1 巨椋尚義2

所属機関: 1中津川市民病院産婦人科 2名古屋大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.189 - P.193

文献概要

緒言及び実験方法
 妊娠中毒症の本態については,古来極めて多数の研究及び仮説がなされて来たが,未だ完全なものは無く,従つてその治療に際しても,種々多くの方法が行われているが,決定的な方法が無い現状である。一方,最近,ホルモン平衡障碍が妊娠中毒症の基礎をなしている事が注目され,殊にSelyeの汎適応症候群の概念が発表されて各種侵襲時に於ける生体の適応反応が,間脳・下垂体・副腎皮質系を中心として行われる事が明かにされ本症に於いてもこの系統が重要な病因的意義を有するものであるとの見解がとられる様になつて来ている。
 早期妊娠中毒症の中で,最も多く見られる妊娠悪阻は,妊卵附属物就中胎盤特に絨毛組織からの分解産物に依るものであるとされており,その病状の程度は各人により種々であるが,妊娠初期に於いては殆んど必発の症状であり,その重症例の治療に当っては,臨床医家にひとしく腐心を強いるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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