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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻4号

1958年04月発行

文献概要

臨床研究

頸管性不妊,ことにHuhner-Testに関する疑義

著者: 大谷善彦1

所属機関: 1九州厚生年金病院産婦人科

ページ範囲:P.255 - P.257

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緒言
 近年,女性不妊に於ける頚管因子が重視されて来たが,頚管因子とは何であろうか。一言にしていえば,腟内に射出された精子が,子宮一卵管へと進入する際,第一の通路である頚管を無事通過しうるか否かという事であるが,周知の如く頚管は粘液で満たされており,精子は該粘液を通つて初めて頚管内へ達しうるのであるから,この粘液が精子に如何なる態度を示すか(即ち精子受容性)及び,精子は粘液中へ浸入する能力を有するか否か(即ち精子の貫通性)の2つが問題となる。頚管粘液(以下C.M.と略)の精子受容性は,卵巣機能障害や頚管炎等によつても障害されるし,生理的にも,月経周期によつて異なり,排卵期に最も良く,黄体期には不良となるが,C.M.の所見のみからこれを決定することは出来ないし,又正常精子は多くはC.M.の貫通性を有するとはいえ,精液所見のみからこれを決定することも出来ない。従つて,一定条件下に精子が実際C.M.内へ進入するか否かを検べ,他の所見と比較検討した上で,両者を判定することになるが,この検査法として,今日最もよく用いられているのがHuhner-Testである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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