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症例研究
再生不能性貧血と関連した子宮出血の1例
著者: 沢田健1 鳥羽鉦次郎2
所属機関: 1静岡県湖西病院産婦人科 2静岡県湖西病院内科
ページ範囲:P.286 - P.290
文献購入ページに移動産婦人科医が日常遭遇する子宮出血には,器質性のものと機能性のものとがあるが,いずれも産婦人科領域に限られたものが殆とであると云っても過言ではない。併しながら予宮も身体の一部分である以上は,全身的出血性疾患の一局所症状として,子宮出血の発来することが考えられる。因に子宮出血と再生不能(良)性貧血との関連も,Ehrlichが1888年再生不良性貧血を独立した血液疾患として,始めて報告した症例に於て既に認められる。
茲に吾々は最近経験した患者で,初め重症な機能性(若年期)子宮出血およびその二次性貧血として診られていたものが,その後再生不能性貧血(以下は再不貧と略)であることが判明し,該疾患の療法たる反復輸血,葉酸,ビタミンB12注射さらにはコーチゾン,プレドニゾロン,止血剤等の使用により病状は一時好転したが,メニンギスムを併発すると共に病状再度悪化し,遂に心不全を起して死亡した例を報告し,諸賢の批判と教示とを賜りたい。
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