文献詳細
臨床研究
内分泌疾患Ⅱ—Simmonds氏症候群について
著者: 竹内正七1 唐沢陽介1 梶原和人1 小林賀雄1 我妻堯1
所属機関: 1東京大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.311 - P.316
文献概要
1914年ドイツの病理学者Simmondsは下垂体前葉の破壊が起ると,著明なるいそうをはじめとして,性器の萎縮,顔面の蒼白,無力症,低体温,低血圧,食欲の不振,徐脈等を有する一つの症候群の現われることを発表した。更に1922年Lichtwizは,この症候群に対し,Simmonds氏病なる名を付すべきことを提唱したのである。
下垂体の破壊は,最初Simmondsは産褥時に起つた敗血症を原因として,下垂体に細菌性栓塞の起るためと考えたのであるが,次第に研究が進み,各種の内分泌学的知見がひろまるに従つて,その他の原因による血管障害,腫瘍,炎症等によつても起ることが明らかにされた。
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