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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻6号

1958年06月発行

臨床研究

妊婦に於ける循環血液諸量と最高血圧との関係

著者: 渋谷孝1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.401 - P.412

文献概要

緒言
 妊婦に於ける血液諸性状に関しては既に多くの発表があり論じ尽された観があるが,之等の中,赤血球数,血球容積,血色素量,血漿蛋白量等に関してはその殆んどが単位体積中の血中濃度として検索され,妊娠月数との関係,中毒症の有無との関係等の立場がとられている。
 妊娠中毒症を臨床的に見ると,浮腫,高血圧,及び蛋白尿が三大主徴候であり,之等を検査することは中毒症の有無又は程度を知る上に最も重要であることはいう迄もない。就中,血圧は数値的に現わすことが出来るので,著者は血液諸性状が血圧の上昇に伴つて如何に変化するかを検索して見た所,循環血液量,循環血漿量に於いて血圧と有意の関係が存在することが判明した。そして更に赤血球数,血球容積,血色素量及び血漿蛋白量を単位体重当り循環血液中或いは循環血漿中に於ける総数又は総量として扱うと,之等諸量の増減は何れも最高血圧の高低と関係が存在することを見出した。そこで著者は之等の実験群を臨床的に浮腫陰性群と陽性群とに分け,何れにどの様な関係が存在するかを主題として研究を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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