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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻6号

1958年06月発行

薬剤の臨床

分娩時に於ける毛細血管抵抗性に対する強力ネオミノフアーゲンCの影響について

著者: 河方延介1 山田和子1

所属機関: 1東京逓信病院産婦人科

ページ範囲:P.439 - P.445

文献概要

緒言
 妊娠時特に分娩時に於いて毛細血管壁の抵抗力が減弱するという報告は屡々見るところである。即ち中井は妊娠時毛細血管の透過性が亢進するとし,Dickmannは妊娠中毒症の妊婦は33%毛細血管壁の抵抗が減弱すると述べ,Bickenbachは妊婦の大部分がこれが抵抗が減弱し,極端な減弱は子癇の成立に関係ありとしている。森山は妊婦は非妊婦に比して毛細血管壁の抵抗は減弱し,これの減弱は妊娠6〜7ヵ月で最高に達し,以後分娩に近づくに従つて亢進していくと述べ,大沢,昇田等は分娩時に到つて血管壁の抵抗力が急激に減弱し,分娩終了後速やかに上昇すると述べている。
 妊娠分娩時に於ける以上諸説の如き毛細血管壁の抵抗力滅弱の原因についてはOestrogen.とProgestronの平衡破綻,ヒスタミン増加説,低カルシューム血症説,血清膠質状態の変化等種々挙げられ,又最近妊娠中毒症の場合フィブリノリジンが血液中に増量し,線維素溶解現象が起きて毛細血管抵抗を減弱させ,ACTHはアンチフィブノリジンを増量させてこれを亢進させるとし,又ヒアルロニダーゼも抵抗性を減弱させると言われている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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