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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻7号

1958年07月発行

文献概要

薬剤の臨床

エストロゲン・プロゲステロン混合ペレットの習慣流産および切迫流早産への応用

著者: 吉川栄1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.551 - P.556

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 戦後無軌道に行われた人工妊娠中絶術もその弊害が認められ,社会状勢の安定と共に漸次下火となり計画出産が普及しはじめているようであるが,これと同時に不妊又は頻回の流早産のため児を切望して来院するものも少なくない。
 従来習慣流産の原因として梅毒,腎炎,陳旧性頚管裂傷,子宮発育不全,子宮の位置および形態異常,ビタミン欠乏,血液型不適合,病的卵,ホルモン失調等種々の原因が挙げられている。原因の明らかなものに対してはこれを除去或いは治療すればよいが,不明なものに対しては,ホルモン療法,その他種々の方法が行われているにもかゝわらず治療による目的達成の困難な場合が多く,治療成績も余り芳しくない現状である。ホルモン療法としてはエストロゲン,プロゲステロン,および両者の混合ホルモン,ゴナドトロピン等の注射或いは内服療法が行われているが,出来得れば頻回の投薬・注射を避けて永続性のあるペレット,デポー等を使用し,その間安静を保っことが好ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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