文献詳細
薬剤の臨床
アミニトロゾールによる腟トリコモナス症の治療効果
著者: 小川玄一1 関口四郎1 中沢敏雄1
所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.559 - P.560
文献概要
1836年Donnéの発見以来Trichomonasvaginalisに対する治療法あるいは抗原虫剤は,まことにおびただしい種類のものが考案され,とくに近時抗生物質の進歩に伴い一応の効果が期待出来る様になつたが,未だ一次治癒の域を脱せずその再発を防ぐことはかなり困難とされている。
そもそも本症はトリコモナス腟炎としてだけではなく,広く男女の尿,性器にわたるものであり,腟尿路間の相互感染が本症の難治性に重要な意義をもたらすだろうことは今日一般に認められているところである。したがつて本症に対する合理的治療形態としては,経腟的治療に加うるに経口的治療も亦考慮されなければならないことは当然のことであり,局所薬剤の進歩した今日その一次治癒率をよりたかめ,更に再発をも防ぐには内服剤の進歩が望まれるわけである。しかし従来カルバミジン,トリコマイシンなどによる内服療法が報告されているが,未だ満足すべきものではないものゝ様である。
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