文献詳細
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文献概要
患者25才,未産婦,結婚22才,昭和30年4月胞状奇胎にて内容除去術を受く。32年9月頃より血性喀痰あり,肺結核といわれPAS,INAH療法を続ける。9月下旬東大内科にて胸部X線撮影を行ない(第1図)悪性絨毛上皮腫の疑いにて当科へ転科,主訴は咳嗽,血痰,左側胸痛にて,最終月経は8月18日より5日間,不正出血なし。内診所見,フリードマン氏反応(1万単位迄陽性),並びに子宮卵管造影像所見(第2図)より悪性絨毛上皮腫と診断,10月3日開腹,子宮剔出術を行なう。剔出物は第3図に示す如く,特有な茶褐色壊死組織が子宮腔内に発育し,組織像(第4図及び第5図)は殆んど壊死組織で占められ辺縁には一部トロホブラスト集団が認められ,一部は明らかに血管内に進入している。
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