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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻8号

1958年08月発行

手術・手技・麻酔

鉗子分娩と麻酔

著者: 名取光博1 柳田昌彦1 吉川千寿郎1

所属機関: 1東京都立築地産院

ページ範囲:P.637 - P.641

文献概要

1.緒言
 分娩は生理的な現象である。従って分娩を自然のままに監視するか,或いは痛みを少しでも和げてやるのが産科医の使命であるとするかは別としても,近年麻酔学の進歩はめざましいものがある。産科の特殊性より,その麻酔法や麻酔剤を検討して,分娩に応用することは,われわれ産科医にとつて甚だ興味ある問題であるばかりでなく,痛みの軽減を希望する産婦に対する,産科の一つの在り方であると思う。殊に鉗子手術を施行する場合,児に対する麻酔剤の影響については慎重でなければならないが,その麻酔が母児に影響を与えないのみか,鉗子分娩操作をより容易ならしめるものであれば,今後広く一般に推奨し得る方法と考える。
 サドル無痛分娩については既にParmley1),Adriani2),Hingson3),Hershenson4),森5),竹内6),大川7),安井8),中川9)等の諸家が報告している。当産院では本無痛分娩法は日常一般化されてきたのであるが,従来行われていた前麻酔としての「ラボナ錠内服十フェノスコ(フェノバールスコポラミン2号)筋注」にノブロン(クロールプロマジン,グレラン,塩酸ジフェンヒドラミンの合剤)を併用し,子宮収縮剤としてエルメトリン(マレイン酸エルゴメリン)を使用して好成績を得た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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