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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻9号

1958年09月発行

文献概要

臨床研究

HeLa細胞の培養生態・孵化難卵漿尿膜移植及びNitrominによる影響の観察

著者: 野村隆1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.689 - P.699

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序言
 古来擁みなき努力が注がれた発癌・移植・組織培養等の実験的領域に於ける癌研究により,Eh-rlich癌・吉田肉腫等多種の腹水型腫瘍の登場を来たし,癌の組織構造的観念より前進し単細胞を中心とする研究の発展となつた。人体由来の単細胞純粋培養も望まれること久しかつたが完全な成功を見るに至らなかつた。茲に子宮癌由来の癌細胞,HeLa細胞1)の出現は蓋し劃期的な意義を有するものである。本細胞は硝子内培養により比較的容易に植継がれ,しかも安定した性状を有する点は実験的対象として略々理想的な条件を備えているとして良い。今や世界洽ぐ流布され種々の目的に使用されている。既にHsu(1954)2)3)は形態学的特に核型の観察を,Leighton(1954)4)はSpo-nge Materixを用いた培養をScherer et al.(1953)5)・Gey (195)6)・甲野(1954)7)等はVirusに対する感受性及びPolyomyelitis Virusの分離等を,Hogaosian (1954)8)は冷凍貯蔵を,Ea-gle (1955)9)36)はVitamin及びAmino酸の必需性について,Shepard (1955)15)は結核菌に対する感受性につぎ,高野・山田(1956)11)-15)は細胞増殖形態及び嫌気性解糖能力について報告した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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