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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科12巻9号

1958年09月発行

薬剤の臨床

新局所麻酔剤Epirocainの妊娠早期中絶における応用

著者: 伊井久雄1 西村祐一2

所属機関: 1熊本大学医学部産婦人科教室 2熊本中病病院産婦人科

ページ範囲:P.729 - P.730

文献概要

緒言
 最近麻酔学の進歩と共に,局所麻酔の分野においても全身麻酔の場合と同様に優秀な局所麻酔剤が相ついで報告きれ,経費・効果・副作用の点で推漿されて来た。局所麻酔の発端は1860年独国のGöttingenのNiemann及びLossenのCocain分離の成功に始り,1905年にProcainがEin-horn及び.Braunにより発見され,浸潤麻酔法の全盛時代となった。然しProcainは作用速度・持続・毒性・効果不確実の欠点があつた。所が1943年StockholmのLöfgren及びLundquistはLidocain (Xylocain)を合成し,作用速度及び作用発現共Procainに比し秀れていると報告し注目されるに至つたが,尚毒性はProcainより強いという欠点があつた。今般エーザイ株式会社はLidocainに勝るといわれるEpirocainの合成に成功した。それは次の様な化学名及び構造式を有している。
 薬師寺,河野等の基礎的実験成績では中枢神経系に対する毒性はLidocainの約半分であると報告し,貫,古川等の実験でもLidocainに勝る優秀な局所麻酔薬と結論している。私達は今般このEpirocainをエーザイ株式会社より提供され妊娠早期中絶に少数例ながら使用する機会を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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