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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻1号

1959年01月発行

総説

機能性不妊症

著者: 林基之1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.21 - P.25

文献概要

はしがき
 女性不妊症の分類としては,原発,続発,絶対,相対,永久,一時等が用いられているが,何れも時間的関係又はその程度を示すに過ぎず,概念内容は余りにも漠然としている。私は,日頃から女性不妊症には,内分泌系の異常を主体とする群と,炎症乃至腫瘍性の器質変化を主体とする群の二大系列に分け得ると考えていた(勿論,双方が共存することもある)。所がこれを明確に表現し得る方法がないままに今迄廻りくどい表現を用いていたが,可逆的で,形態変化が完全に元に戻り得る場合で(軽度炎症は完全治癒もあり得るが,少くとも炎症のある間の変化がかなり著しいのでこれは除外する)。而も臨床的には殆んど形態変化を伴わず,唯機能的異常(functional, dysfun-ctional)の伴う場合を特徴づけたいと考え,かかる機能異常による不妊症を,機能性不妊症と命名した。これは器質性不妊症に対立するものである。以下,総論と各論とに分け,略述したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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