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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻1号

1959年01月発行

薬剤の研究

トリオン錠内服によるトリコモナス腟炎の治療成績

著者: 後藤田博之1 桑原惣隆1

所属機関: 1金沢大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.55 - P.57

文献概要

I.緒言
 1916年Höhne氏がDonne氏の発見せるTricho-monas vaginalisの病原性を強調して以来,幾多の研究によりその頻度の高いことが確められ,治療面では各種抗トリコモナス剤が発見され,急速な進歩がなされたが,本症は仲々難治であり,且つ再発,再感染を認め根治は困難な現状である。
 これら治療面での困難性を検討すると,先ず感染経路としてこのトリコモナス症が,全性器系,全泌尿器系の疾患であり,且つ配偶者との関係に注目しなければならず,今日,男性に対する尿,或いは精液検査法の進歩により,女性トリコモナス症の全例に於いて相手の男性が感染している危険性が確認されつつある現状である。つまり治療面での完全を期するには,トリコモナス症が一般的に性病と同様の感染経路より起る疾患で,一対の男女間で一方が罹患している場合,他も殆んど感染してることを念頭に系統的治療をしなければならない訳である。かかる意味に於いて全身的投与剤が必要であり,秀れた局所治療薬剤との併用により根治を期することが問題となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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