文献詳細
実験的研究
経口黄体ホルモン"プロドックス"の作用機序について
著者: 梶原和人1 荒井清1 岩城章1 木下国昭1 塚田一郎1 小林昭郎1
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室
ページ範囲:P.877 - P.879
文献概要
近年ステロイド化学の進歩は著るしく,すぐれたホルモン製剤が合成され,臨床的にも広く利用されている。黄体ホルモンの領域では19-Nor-testosteroneの誘導体が,経口的に使用して強い黄体ホルモン作用を示し,しかも従来の経口剤であるEthinyltestosteroneに比べれば,遥かに少い量で有効であることから,画期的なホルモン剤として注目されるようになつた1)2)3)。しかしこれらの黄体ホルモンはすべて男性ホルモン誘導体であり,生体内で主役を演ずると考えられるPro-gesteroneではない。Progesteroneが非経口投与でなければ効果が期待できないのは,体内で速かに不活性化されるためであり,それに肝臓が大きく関与することは周知の通りである。
掲載誌情報