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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻10号

1959年10月発行

文献概要

同人放談

家族計画と初産年齢

著者: 森山豊1

所属機関: 1東京大学分院産婦人科

ページ範囲:P.937 - P.938

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 近頃家族計画が各方面に普及して,効果をあげているようである。戦後わが国では人口過剰を問題とし,政治家などは,施策の貧困をすべて人口過剰におつかぶせて責任を回避しようとするようであつた。このため避妊ということなども,人口減少策の一つとしてとりあげられていた。そのため,戦後に婦人は妊娠することを恥かしがるような風潮さえあつた。さすがに近頃は,このような空気はうすらいだように感ぜられる。もともと,産むとか産まないとかは個人の自由であつて,その時々の政府の政策などで左右さるべき問題ではない。家族計画はあくまでも,家族の幸福のための生活設計の一部のはずであるから各家庭の事情によつてそれぞれちがうのは当然である。この家族計画の内容としては,(1)出産回数(子供の数),(2)出産間隔と(3)出産の時期(季節)の3条件について計画をたててゆくように指導されている。
 私はこの条件のほかに,初産の時期,つまり結婚後いつ初産をするかについての計画を家族計画の中に含めねばならぬと痛感する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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