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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻11号

1959年11月発行

症例報告

脳出血を合併した妊娠中毒症の1例

著者: 田中浩1

所属機関: 1東邦大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1010 - P.1013

文献概要

Ⅰ.まえがき
 高度妊娠中毒症があり,分娩第1期に重態となつたが,鉗子分娩で生児を得,産褥で片麻痺を起し,臨床上,脳出血と考えられる症例を報告する。
 はじめに,子癇の存在する妊婦が脳出血を合併する事は稀ではなく1),Schwanen2)の集録に依れば第1表の如く頻度に可成の差があるが,小出血をも算入した場合は相当の高率に脳出血がみられる。又最近,斉藤3)に依ると,臨床上明確な子癇発作を認めた症例に限定すると,其90%以上に脳出血があると述べてある。妊婦が死亡した場合は剖検で明確に認め得るが,妊産婦が生存している時は臨床症状から診断する他なく,断定は出来ない。又此様な患者は救急患者として来院する者が多く,重態であるので,くわしい検査を試みる時間の無い場合が多く,早期診断は必ずしも容易ではない。私共は最近高度の妊娠中毒症があり脳出血を合併したと考えられる症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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