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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻12号

1959年11月発行

特集 子宮癌診療の進展

診断

放射性同位元素による子宮癌の診断

著者: 藤森速水1 山田文夫1 河合公1

所属機関: 1大阪市立大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1082 - P.1087

文献概要

Ⅰ.緒言
 子宮癌ことに子宮頚癌はその解剖学的性質により,他臓器の癌に比べて局所診・検査材料の採取が比較的簡単ではあるが,その診断は毎条必ずしも容易ではなく,従来より発表されている諸方法も一長一短の特徴を有している。而して再発癌等の場合を除き純然たる子宮頚癌の診断には,癌特異性に欠ける体液診等は殆んど臨床的に応用される事なく,専ら肉眼的,組織学的,細胞学的検索等が利用されて居る現状である。また最近ではコルポスコープも再認識され,更にコルポミクロスコープもようやく普及しはじめつつあるが,そのいずれもが癌診断のためにはかなりの修練による経験を必要とし,かつ判定に際して純粋に客観的立場より判断し難い事が多い。一見癌の確診を下し得る場合の如きは問題ではないが,各種の精密検査の結果,甲論乙駁を重ねて診定する如き場合には殊に客観的なデータが必要となる。
 近来とみに広汎に利用される様になつた放射性同位元素は癌診断にも用いられ1940年HamiltonはI131を甲状腺癌に,1951年MooreはI131—Dijodfluoresceinを脳腫瘍の診断に利用した。以来多数の報告があるが,之らは腫瘍細胞の放射性同位元素摂取がかなり特異的に旺盛である事を応用したもので,甲状腺関係に対するI131以外にはP32が最もしばしば利用されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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