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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻12号

1959年11月発行

文献概要

特集 子宮癌診療の進展 治療

子宮頸癌根治手術のリンパ節廓清効果判定の試み—手術療法の統計基準確立のために

著者: 小林隆1 竹内正七1 松枝和夫1 小林昭夫1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1089 - P.1095

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Ⅰ.まえおき
 子宮頚癌の治療成績は国際統計基準にもとずいて,臨床進行期別に取扱い,5年治癒率によつて論んずべぎことがとりきめられている。癌の治療効果は5年治癒率によつて判定しなければならないのは当然のことであるが,この治癒率の優劣が必ずしもたゞちに治療方法のそれを示すとは云えない趣きもあることを一応心得ておくべきである。というのは治癒率を支配する因子には治療方法のみならず,癌の病理学的な進行程度の相違等が大きく関与するからである。それだからこそ国際統計基準においては患者を不満足ではあるが臨床進行期別に分類して検討することを求めているわけである。
 ところが,この臨床進行期というのは国際分類による一定の基準にしたがつて診定するのであるが,主観的な要素が多く,内診が唯一の方法であるから事実上の癌の進展度とはかなり喰違いのあることは既に諸家の指摘しているところである。臨床進行期が癌患者の病理学的所見を正確に反映していないとすれば,臨床進行期別の治癒成績から,治療方法の優劣を論じることは厳密には不可能に近いと云つても過言ではないであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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