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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻12号

1959年11月発行

特集 子宮癌診療の進展

治療

子宮頸癌に対するレ線深部治療照射方式の進展

著者: 岩井正二1

所属機関: 1信州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1104 - P.1112

文献概要

Ⅰ.はしがき
 近年医学の進歩にもかかわらず癌は依然として減少せず,子宮癌の死亡は年々8000人をかぞえるというが,これが対策はわれわれにとつて重要な課題といわねばならない。最も望まれる癌の化学療法は今日なお発達の途上にあり,いまのところは,子宮頚癌にたいして根治を期待できる治療法は手術と放射線の二つだけである。このうち手術療法はわが国ではすぐれた岡林,荻野式根治手術術式がひろくおこなわれ,手術合併症にたいする予防的処置の進歩導入ともあいまつて良好な成績をあげていることは周知のとおりである。しかし,手術療法はいまやほとんど行くべきところに行きついた観がないではなく,この方面では今後それほど大きな発展はのぞまれそうもない。一方,放射線医学のめざましい進展とともに,子宮頚癌の放射線療法はこれからさきかなりあかるい希望がもたれ,頚癌治療が今後ますます手術から放射へと移行する趨勢をもたらすことも予想される。外国の一部では,古くから,もつぱら放射線療法によつて治療がおこなわれてきたがこの傾向は漸次ひろがりつつある。したがつて今後これらの治療成績にわれわれは充分関心をもつ必要があるわけである。ここには放射線療法のうちレ線深部治療についてその進展の状態と,これが子宮頚癌治療への応用について,著者の経験をもとりいれて現況を展望してみたいとおもう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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