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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻12号

1959年11月発行

文献概要

特集 子宮癌診療の進展 治療

末期子宮癌に対する男性ホルモン療法

著者: 赤須文男1

所属機関: 1金沢大学

ページ範囲:P.1149 - P.1155

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 末期子宮癌に対する男性ホルモンAndrogen(以下Aと略す)の効果については,私はすでにいくつかの研究を報告した1)-6)が,乞われるままに更に2〜3の私見を加えて以下これを略述する。
 子宮癌に根治療法(放射線療法或いは手術療法)がのぞみのある間は,これを施すのは当然であるが,これら治療法の無効とされるいわゆる末期子宮癌(以下癌と略す)に対する処置は可なり面倒である。この時は全身状態は著しく悪化し,食欲は欠如し,体重は著減し,皮膚は乾燥ししばしば黄色を呈し,加えて疼痛が現われる。疼痛は生体の危険に対する警告であるから,1)安静,2)根治療法,3)鎮痛剤などを用いれば多くの疾病では次第に緩和され,治癒に向つていくものであるが,癌の場合は絶対にそういうことは期待されず,結局,死の直前まで苦悶しなくてはならない。これは患者にとつてまことに恐るべきことであるが,担当医としてもまことに厄介なことであり,ここにこの目的に有効な方法がないかということとなり,今日ではA療法が可なり広く実施されているが,比較的高価のためにまだ一般化してはいない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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