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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻12号

1959年11月発行

文献概要

特集 子宮癌診療の進展 社会的対策

大衆啓蒙に関する方策(PR)

著者: 御園生義良1

所属機関: 1日赤中央病院附属癌治療研究所婦人科

ページ範囲:P.1158 - P.1160

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Ⅰ.はしがき
 子宮癌のみならず一般に癌の治癒率を向上させるために必要な因子は早期発見並びに早期治療であるが,そのうちでも先ず大切なのは前者であつて,このためには医師側に於ける診断能力の向上が必要なことは勿論であるが,それよりも更に重要なことは患者側に於ける癌に就いての知識の増進を計ること,換言すれば大衆の啓蒙である。たとえ細胞診,腟鏡診,組織診等による医師側の診断能力が如何に向上したとしても,患者側に癌に対する十分な理解が無いため早期に受診しないとすれば癌の早期発見は全く不可能である。昔は子宮癌といえば痛いとか悪臭があるとかいわれたものであるが,これ等はいずれも末期症状に過ぎず,かゝる末期症状のみを重視する観念が一掃されて,一般大衆が子宮癌についての正しい知識を会得し,進んで定期的に健康診断を受けるようになつてこそ,その早期発見が達成されるものであつて,それに就いてのPRの重要性が叫ばれる所以は正に茲にある。
 以下その実施方法の大要を述べてみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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