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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻2号

1959年02月発行

綜説

子宮内胎児心電図に就いて(附・臨床経験)

著者: 今村弘1

所属機関: 1熊本大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.93 - P.97

文献概要

緒言
 子宮内胎児の生理学的状態を知る1つの方法として胎児の心電図を撮影する事は産科医にとって極めて興味ある問題であるが,わが国では殆んど実施されていない。所が外国では広く研究され,有効な臨床的補助診断法であると考えられているので,ここにその概要をのべ一般の注意を喚起したい。
 本法は1906年Cremerが妊婦の心電図を撮る際遇然に胎児心臓による"フレ"を発見して以来注目され,Foa,Krumbhaar,Sachs,Haynal,Ke-llner,前川,豊島等も弦線電流計を用いて追試しているが胎児波の証明率(以下証明率と略)が悪く実用にならなかつた。所が1933年にSteffan,Strassman,Johnson等は標準の心電計を用いて若干の症例を報告している。ついでBell(1938)は本法の系統的研究に着手したが証明率が悪く(28%),誘導法も不適当であったので,同年St-rassmanは極板を広くし,四肢誘導で妊娠後期70日間の妊婦の87%に証明した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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