文献詳細
臨床研究
産婦人科患者血清によるN-N-Dimethyl-p-phenylendiamineの発色について
著者: 森下宗司1 伊藤敬1
所属機関: 1名古屋大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.103 - P.107
文献概要
この物質は552mμで最大吸収を有しており,健康人から摂つた新鮮血清へDPPを加えると約5分間のlag periodをもつて乾ブドー色に呈色して,その間は吸光係数は僅かしか増加しないが,その後直線的に増加してゆく。一方精神病患者の新鮮血浩では,その呈色のlag periodは非常に短いか,あるいは之を欠いており,しかも直線的に吸光係数は増加してゆくという。この現象を彼3)は生化学的に研究している。しかし,此の反応が精神病者に特異的な反応とはいえない(例えば肝疾患,妊娠等の場合にも起り得る)ことを認めている。
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