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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻2号

1959年02月発行

文献概要

実験的研究

乳汁分泌の機序に関する生化学的研究(第3報)—山羊乳の比重及ナトリウム,カリウム濃度に及ぼす自律神経毒並びにACTH,DOCA,Cortisoneの影響に就いて

著者: 永田郁緒1

所属機関: 1東京医科歯科大学産婦人科教室東京医科歯科大学生化学教室

ページ範囲:P.135 - P.149

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緒論
 著者は既に第1報に於いて乳汁分泌の機序に関する生化学的研究の基礎的研究として,妊娠中の初乳並びに出産后の産褥及産后の成乳に就いて順次経過を追つてそれらの組成分の濃度を測定し,乳汁中の各組成分の一々が妊娠産褥の全期を通じ各々独立的に且つ特徴的に消長することを見た。又,更に第2報に於いて乳汁の乳房内に於ける生成機転を見るための1つの方法として,乳汁の原料と思われる血液組成を見ようとし,乳房に出入する動静脈血を精査し,各組成分についてその較差を検討した結果,一方に於いて血液比重の精査により,血液有形成分比重分担量(GB—GS)即ちそれは大体ヘマトクリツト量(Ht量)と相関するものであるが,これが動静較差の上にあまり差を示さないことより動静脈間に於ける水分の喪失は殆んど認められないことが確認されたが,それにも拘らずGSは静脈血が動脈血より大きいところから蛋白劃分の何れかが静脈血に於いて増加することを知り,それらの分屑の一々について精査したところ,アルブミン濃度は(動脈血>静脈血)となり,アルブミン分屑の乳房内に於ける喪失が見られるのに,γ—位グロブリン濃度は(動脈血<静脈血)となり,これが乳房中にて血液中に移出されるものらしい点が明らかになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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