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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻3号

1959年03月発行

臨床研究

血液型不適合(Lae—抗体)による習慣流産

著者: 深町庫次1 横山三男2

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科教室 2東京医科歯科大学法医学教室 Rhセンター

ページ範囲:P.239 - P.246

文献概要

緒言
 Lewis型は人血清中に発見された新らしい抗体であると,1946年Mourant1)により発表された。血液型の適合と妊娠との関係を簡単にふりかえつてみると,これより以前1939年,Levine andStetson2)は死産児を分娩したO型の婦人に,O型の夫の血液を輸血したところ,猛烈な副作用を起したので,早速血清に就いて調査した結果,その血清中に不規則凝集素を発見し,これは37℃で強く反応する抗体でABO,MN及びP式の血液型には関係なく,此の抗体は父親から遺伝した胎児のもつている或る血液型因子によつて,母体が免疫されたために起つたものであろうと推察した。丁度此の頃,一方に於いてはLandsteiner andWiener3)はMaccacus rhesusの血球で兎やモルモットを免疫して得たところの抗rhesus血清が白人の85%の血球と反応し,人間とMaccacusrhesusの血球とに共通な因子であるとしてRh因子と命名した。
 1940年Wiener and Peters1)はABO式血液型は適合していたに拘らず,輸血によつて副作用を起した患者の血清中に抗Macacus rhesus抗体と同様な反応を示す不規則凝集素を認め,先ほどのRh因子不適合輸血は副作用の原因であると指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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