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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科13巻3号

1959年03月発行

文献概要

薬剤の臨床

産婦人科領域における鎮痒剤Crotonyl-N-ethyl-o-toluidine(Eurax)の臨床治験

著者: 野口正1 笹川重男1 岩本和雄1

所属機関: 1新潟大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.261 - P.263

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1.緒言
 外陰部掻痒感は最もわれわれを悩ませ処理しにくい婦人科的症状の一つである。それ自身1つの症状であつて疾患ではないけれども,局所の関係上,掻痒の患者に与える苦痛は想像以上に強く長期にわたる時は日常の活動がさまたげられ,不眠におちいり,はなはだしきは神経衰弱状態にまで至ることさえある。さらに掻破により続発疹を招き治癒の遷延をみ,時に創傷により二次感染を惹起する事がある。
 外陰部掻痒感を訴える患者は案外多く,従つて治療としても,先ずその原因となる疾患を探求し,それを除くことが根本的な解決ではおるが,これが外来においては,仲々困難な場合も決して少くない。対症療法に限度があるとしても先ず患者の苦痛をとりのぞくことは,われわれの重大な問題である。優秀な鎮痒剤の出現を期待するゆえんである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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