臨床婦人科産科13巻4号

1959年04月発行

グラフ

Turner氏症候群の1例

著者： 坂倉啓夫¹ 鈴木穆¹

所属機関： ¹慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲：P.295 - P.296

　症例は22才で原発無月経，短躯，乳房発育不全の主訴で当院を訪れた。
　現症はTurner氏症候群の主要徴候は殆んど完全に備えている。1）原発無月経，2）短躯，3）翼状頚，4）外反肘，5）Sex-chromatinは男性型，等の主要徴候は完全であり，開腹所見子宮は胎児性で三味線の撥様で両端よりマッチ棒大の卵管が延びている。卵巣は両側に認められたが右側はマッチ棒大で白色腱様光沢を呈していた。左側は小指頭大に腫大していた。組織所見は卵胞は全く認められなかつた。